お豆腐を電子レンジでチンすると…

お豆腐を電子レンジでチンすると…

今まではあまり料理をしたことのない友達が「お豆腐って電子レンジでチンするとおいしいんだよ!」と言うものだから、ビックリしました。その驚きは「お豆腐って大豆からできているんだよ!」と言われたのに匹敵するくらいです。

お豆腐が電子レンジで温めるとおいしくなるということに、ビックリしたわけではありません。もちろん、お豆腐が大豆から作られていることを知らなかったわけもありません。お豆腐の原料が大豆であることと同じくらい、私にとってお豆腐を電子レンジで温めて食べることは当たり前のことなのです。

それは私だけじゃなく、他の人にとっても今さら言うまでもないことだと思っていました。おそらく、私と同じように思っている人も少なくないでしょう。でもそれまであまり料理をしたことがない友達にとっては、驚くべきことだったのでしょうね。それもしかたありません。今までお豆腐を温める機会に恵まれることなんてなかったのですから。

料理をする人には今さら言うまでもないことだとしても、料理を滅多にしない人には今だから言わないといけないことなのでしょう。初めてやることなのに電子レンジで温めすぎて、豆腐をかわいそうなことにしなかっただけマシです。何事もやりすぎは禁物。

あれはお豆腐を電子レンジで温めることを覚えて、まだ間もない頃でした。いつもはホカホカ程度だけれど、熱々にしたらもっとおいしいに違いないと思ってしまったのです。確かに熱々のお豆腐がおいしいことに違いはありません。違っていたのは、電子レンジで熱々にしようと思ってしまったこと。

加熱時間をどのくらい延長したのかハッキリとは覚えていませんが、今なら他の誰かがそれだけの時間加熱しようとしていたら、絶対に止めるだろうというほど長かったような気がします。チン!という音で加熱終了を知らせる電子レンジ。

正確にはチン!ではなく、我が家の電子レンジはピーピーピーという電子音が三回鳴るのですが。そのまま放っておくと数秒おきにピーという電子音が、今度は一回ずつ鳴ります。時にありがたく、時にウルサイ機能です。

電子レンジから出そうとつかんだお皿の熱さは、今でも忘れません。ヤケドをする危険を冒しながらはがしたラップから出現したお豆腐の姿も、きっとこれからも忘れることはないでしょう。

どうしてあんなことを言ったんだろう

正直な話し、また同じものを買ってきてくれたのを見た瞬間、どうしようと思いました。どうするもこうするも、私のために買ってきてくれたのだから受け取るしかありません。私が喜ぶ顔を想像しながら買ってきてくれた気持ちを、無駄にすることができるわけありません。

そもそも、それが好きだと言ってしまった自分が悪かった。気に入ったと笑顔を伝えてしまった自分に責任がある。ストレートに伝えることはしなくても、好きだとか気に入ったとかまで言う必要はなかったんじゃないか。

私が草加せんべいを好きだと知っている方が、以前にそれを買ってきてくれたことがあります。それも1枚がとても大きな草加せんべい。厚みがあり、見るからに堅くて噛みごたえがありそう!それにこの大きさなら1枚でもかなりの食べごたえがありそう!大好きな草加せんべいを目の前にして、私のテンションは上がる一方でした。実際に食べるまでは。

それを口にした瞬間、上がる一方だったテンションはストップし、今度は下がり始めることに…。目で見た通り、厚みはある。思った通り、堅さはある。期待を裏切らない噛みごたえ。大きさに見合った満足感はある。思ったより小さかったということはない。一般的なサイズとは比べものにならない食べごたえ。

今思えば、味も目で見た通りだったのです。その色合いから、味の程度も想像しておくべきでした。そうすればテンションも急に上がることはなく、下げてしまうことにもならなかったでしょう。とてもキレイな色合い、薄めの色づき。味もそれと同じく、良く言えばとても上品。

だけど濃い味好みの私には薄味で、物足りない。自分の好みではないあっさりした味付けだったにも関わらず、「すごく美味しかった!気に入った!私好みの草加せんべいをありがとう」なんて言ってしまったのです。

今さら「実を言うと、濃い味が好きな私の気に入るものではなかった。味が足りなくて、あまり美味しいとは思えなかった」なんて言えるわけありません。「ごめんね」なんて謝罪することもできません。

私はまた満面の笑顔で受け取りました。そしてまた間違いを犯すところでした。「これ、また食べたいと思っていたんだよね」と。危ない危ない。